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by angrofille
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adieu chat noir 西荻窪

ニシオギの南口駅前に、もう何年も前から
のしのし歩く黒猫がいた。

もうものすごい年寄り猫で、目はめやにだらけで、
開いてるとこみたことないし、黒い毛は茶色がかって
ぼさぼさ。

朝、いっつも薄汚れたスナックの前でべろをだして
ぐでんと寝てる。
あんまりにも年寄りなので、舌を口の中にしまって
おけないのだ。
近所の人が、ねこまんまをあげるけど、
全部たべられなくて脇においたまま目をつぶって
べろをだして寝てる。

どんな猛暑の朝でもきまったスナックの前で
おなか出して寝てた。もう覚えてないくらい前から。

おととい、ふと通勤路を見ると、スナックの脇の
ビルの狭いすきまに花がいっぱいおいてある。

一緒にキャットフードがおいてある。

背中に走る戦慄。


おおおおおもうあいつはいないんだ。
なんだかどうしても信じられない。
きっと路地のすきまで、いつもみたいに
べろを出してねてたんだろう。
そのまま、目をあけられなくなっちゃったんだろう。
ほんとにどうしても信じられない。
まったくぜんぜん信じられない。

岡本敏子さんが亡くなったときも同じ感じだった。
いつか目の前でパワーを放出しながら
しゃべるところを見れると思っていたのに、
突然いなくなってしまって、なんだかどうしても
信じられない。

自分の地続きに死というものがあるのが
いまだによくわかっていないのだ。いい年こいて。

ニシオギのまもりがみみたいだったくろねこが
天国でいまもべろだしながらふわふわな雲の上で
寝てたらいいなあと思う。

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by angrofille | 2005-07-23 01:51