映画日記など メールいただけるとよろこびます angrofille@excite.co.jp


by angrofille
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

ランド・オブ・プレンティ

ヴェンダースの新作ランド・オブ・プレンティを有楽町で鑑賞。

21世紀版「都会のアリス」みたいな今作は、イスラエルで暮す
アメリカ人のラナが、亡くなった母の手紙を渡すためにアメリカに
やってくるところから始まる。

彼女が見るのは、飢えと貧困と町中に溢れるホームレスでいっぱいの
ロサンゼルスの街。ランド・オブ・プレンティ、豊潤な土地である
アメリカの恐ろしい現実。
アメリカは一握りの資産家がほとんどの資産を一人占めしている。
所得格差をなくそうとするのが普通の近代国家だが、ブッシュは金持ち
の味方なのでその差はひどくなる一方だ。そして小泉はそんなブッシュの
ケツをなめるばかりなので、日本もそのうちヒルズ族と教会にうどんもらいに
並ぶひとだけになるかもよ、、。

彼女の叔父はベトナムで心身ともにズタボロになってきた帰還兵。
細菌兵器の後遺症とトラウマに悩まされる彼は、テロ以降
車を要塞のように改造して(車の上についている監視カメラが笑える)
ひとり自警団をやっては街をパトロールして、あやしいアラブ人を
警戒している。

アラブ人が段ボールを持って道をあるいている、その段ボールは洗剤の
箱だ、その洗剤を使って科学兵器を作る事ができるとネットに書いてあった、
奴はきっとテロリストに違い無い、、、
このバカげた発想はまさしく9・11以降のアメリカの集団ヒステリー
そのものである。しかし叔父は本気なのだ。
果たして彼は大量破壊兵器を見つけることができたのか?
アメリカが作り出した過去のトラウマに苦しむ彼を救うのは、
ラナと彼女の母の手紙。こんなにやさしい映画を作れるのはヴェンダース
だけだ、きっと。

最後に二人はワールドトレードセンター跡地に行く。
彼らはそこで何も見ない。
たった1回のテロにおびえて、すべてのアラブ人を疑うなんて本当に
バカげているのだ。「僕の故郷は国ではなくて民族だ」
[PR]
by angrofille | 2005-12-04 13:48 | 映画