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by angrofille
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アメリカ,家族のいる風景(2005年 ドイツ/アメリカ)

ヴィム・ヴェンダースの新作が遂に公開。
といってもこの前ランドオブプレンティみたばっかですが

遂にというのは最近彼の作風に非常に違和感を感じていたのですが、
(ブエナ・ビスタとかミリオンダラーホテルとか) (しかも見てない)
この作品は最初にでてきたスチール↓
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からして昔のヴェンダースが戻って来た感が強くあり、心待ちにしていたのです。

ストーリーはけっこうなんということもなくて、年老いた(でも50くらい?)西部劇役者の
サム・シェパードが突然砂漠の撮影から失踪。30年ぶりに母に会いに行き、そこで
「そういえばあんたの子供どうしてる?」と母に言われる。「子供、、?!」「30年前に
女の人が電話かけてきて、あんたの子供ができたって言ってたの」「早く言ってよ!!」
ということで子供とその女を探しに砂漠の中をドライブで出かけるんですね。
彼女たちをあっけなく見つけることができたのですが、見つけたからってその先どうする
の、、?血のつながってる親子だからって、すぐに家族になれるものなの、、?
そこに出てくるもう一人の若い女の子サラ・ポーリー(バロンの女の子、死ぬまでに
したい10のこと)。サム・シェパードが何もかも捨てて飛び出して来た果てに見つけた
絶望と孤独に涙が出てくる。ジェシカ・ラングのダイナーの女っぷりも素晴しい。
ヴェンダースの女の趣味はほんとうにいい。

サム・シェパードとジェシカラングが言い争うシーンはとても痛々しいのだが、
パリ・テキサスの痛々しさとはまた別で、以前したとりかえしのつかないことから
この映画は時間がずいぶん経っているところが違うのだ。ダメ男の30年後のような。
パリ・テキサスではいつでも引き返せるが、この映画ではもうどうやっても引き返せない。
でも自分がダメだとしても家族がそれを取り戻してくれるのかも、という終わり方だったのが
円熟というか老成というか、よかったなあ。
音楽は「オー・ブラザー!」(ずぶぬれボーイズ!)のT‐ボーン・バーネット。ダメ息子がくちず
さむ歌がどれもこれも良い曲だと思ったら、なんとそうだったのか。サントラ的じゃなくて
鼻歌みたいに挿入されるものすごく良い曲。この音楽がすごく映画を引き立たせている。
映像はもう完璧でした。アメリカの美しいところを熟知して撮りまくっている。どのシーンも
写真のようだった。アメリカへの別れ、だからきれいなところだけ残したかったのかな。

☆3.8つ
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by angrofille | 2006-03-15 00:00 | 映画