最近妹がふと見ると魂が抜けたようにケータイでソリティアばかりやっている。
背中を丸めて。友人の結婚式に出るためにユナイテッドバンブーで6万円の
ワンピースを即買いしてからというものずっとこんな調子なのだ。
このままでは私のかわいい妹が猿になってしまう!!と焦り、無気力文学の金字塔
「去年ルノアールで」を与えたところ、たいへん気に入ったようでみるみるうちに
人間としての尊厳をとりもどしてくれた。
この本は平日の昼間からルノアールに入り浸る主人公が、「猫がビーチパラソル
の下でサングラスをしている模様が編み込まれたセーター」などのいわゆるルノカジ
に身を固めた濃ゆすぎる暇な客たちをえぐるように観察する妄想日記である。
上野で売ってるその筋の人が着ているすごい派手なセーターの描写がこの本
ほど詳細に描かれる文学もないであろう。前代未聞の偉業である。
この連載はそのむかしリラックスがサブカルリーダーだった頃巻末で連載されて
いて、裏原少女だったわたしはベイピーとサイラスに身を固めながら毎月楽しみに
読んでいたものである(一部大嘘)。
しかし妹がルノアールに行きたがるようになってしまい、その点は少し困っている。
