映画日記など メールいただけるとよろこびます angrofille@excite.co.jp


by angrofille
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

悪魔とダニエル・ジョンストン(2005年/アメリカ映画)

孤独、恐怖、神経衰弱、躁鬱、サタン、666、葬儀屋、マクドナルド、愛、信
念、ビートルズ、お化けのキャスパー...。

究極なまでの無垢な魂で、内なる悪魔との共存(?!)に挑む謎多き“生ける伝説”ダ
ニエル・ジョンストン。本作は、その繊細さ故に躁うつ病と誇大妄想に苦しむ天才シ
ンガー・ソングライター兼アーティスト・ダニエル・ジョンストンの狂気、創造性、
そして愛を描いた衝撃のドキュメンタリー。


私がダニエルを知ったのはやっぱりニルヴァーナのTシャツで、
それからパステルズがカヴァーした「speeding mortorcycle」の12インチ
(結構プレミアがついてた)を買って彼の曲を大好きになった。
なんかいっちゃってるけどいい曲をかく変人、というくらいの認識しかなくて
このドキュメンタリーをみたところたいへん衝撃だった。

キリスト教原理主義の親に口やかましく抑圧されて育ち、幼い頃から
絵を描き映画を撮り自分は絶対アーティストとして生きるんだと頑固だった
ダニエル。大学に入った頃から崩壊する彼の精神。彼の作る曲の純粋さ、
そして単純に曲のよさのために有名になっていく。彼の有名になりたい
という欲望。ただ一人愛した女性はすぐに他の男と結婚し、手が届かない
存在になったゆえに創作し続けられるという悲しい現実。
悪魔に自分を乗っ取られるという脅迫観念に絶えず襲われ、抑圧されてきた
はずの神を讃える歌を作る。けっこう暴力的な面も強い。クリスマスに数字の
黒い「9」をツリーにつけて怒った家族に暴力をふるい、長年面倒をみてくれた
マネージャーを首にする。
あまりに辛い人生だが、当の本人は過保護な両親のもとでわがまま放題に
今も暮らしている。彼のファンだという若い友人に囲まれて。

彼がおびえる悪魔というのは、抑圧しつづけてきた両親に抵抗する「悪い子」の
自分なのかもしれない。wikiによるとキリスト教原理主義は妊娠中絶禁止や
同性愛禁止など「アメリカ的生活様式の復活」を主張する強硬な主義をもつ
融通のきかない宗派。創世記の記述と直接一致しない科学、特に進化論を
受け入れる余地は全くないそうだ。とんでもないな〜

監督はハーフ・ジャパニーズのジェフ・フォイヤージーグ。ダニエルのこどもの
時の写真などをたいへん上手に使い、映像作りもすごくよかった。

天才技術のヒグチさんと美人デザイナーのかおりさんと渋谷のライズXで見ました。
「キリスト教の善か悪かっていう二元論は不自然だ」、「過保護な親が死んだら
ダニエルは生きて行けるのか?でもこういう人ってけっこういるよね」などいろいろ
はなしあってたのしかったです。
すごく良いドキュメンタリーでした。

☆4.0つ

b0046664_23323222.jpg

[PR]
by angrofille | 2006-10-29 23:23 | 映画