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by angrofille
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カテゴリ:映画( 97 )

原題の「ME AND YOU AND EVERYONE WE KNOW」は映画のなかで
14歳と6歳の悪ガキ兄弟が作るアスキーアートのエピソード。
みんなどこか広いところに集まっているのを上から眺めたところで、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
↑これは立っているひとの頭             ↑これは横たわる人
このなかには俺とお前と、僕らが知っている人みんながいるんだって
14歳の少年が言うのだ。

主人公は監督脚本主演のミランダ・ジュライ演じるビデオアーティストなんだけど
生活のために高齢者用タクシーの運転手をしている女の子。
美術館に作品を持って行って冷たい対応をされたり靴屋の店員にいきなり恋して
おいかけまわしたり、面白くてせつない。
彼女のタクシーのお客、その知り合いの妻と別居した靴屋の店員、その息子たち、
息子の知り合いの女の子たち、世間とズレてる彼らの日常が群像劇のように
描かれる。

はじめに言ったアスキーアートやキュレーターを皮肉るユーモア、片思いの彼と
歩けてうれしくってずっと変なことを言ってしまったり、未成年のなかよし女の子
二人組が大人と子供の間でもがいてたり、いわゆる映画的な瞬間がこの作品には
たくさん盛り込まれている。
ユーモアやエピソード作りのうまさといった点で、ガーリーとはいってもソフィアコッポラ
とはまったく異質だ。アートの閉じられた世界を批判しつつアートにしかできないこと
を嫌みでも説教でもなくさりげなく提示しているのが非常にクレバーである(すんごい
シモネタもふくめてね)。
全体的な映画としての完成度というと少し甘いところがあるのかもしれないが、
ミランダ・ジュライの全身から溢れ出る善良さと真摯さとたまらなく素敵なたたずまい
によってオールオッケーになっているのが非常に希有な作品だ。

☆3.9つ



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by angrofille | 2006-05-16 23:45 | 映画
さびれたスポーツ・ジムの閉鎖を回避するため、優勝賞金目当てにドッジボール大会
に出場することになった個性豊かなダメ人間たちの奮闘ぶりを描く、骨の髄まで
アメリカンコメディな一本。

いま一番輝いている?コメディアンのベン・スティラーが見物。
93分といういさぎいい時間で、細かいギャグをまじえつつとにかく話がサクサク
進むのがよい。最近無意味に長い映画ばかりで、勿体ぶった映画はもううんざりなのだ。
ギャグも力技で、ツールドフランスのあの人がいきなり出てきてはもう笑うしかない。
変な色目を使わず、非常にあっさりした作風が「何も考えられずにみられる」
ハリウッド・コメディの見事なセオリーどおりですがすがしい。
近頃のコメディのなかでも嫌みがなくてよくできた一本だと思う。

☆3.5つ
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by angrofille | 2006-05-10 00:02 | 映画

TAKESHIS'(2005年 日本)

ヴェネチア映画祭でサプライズ上映という破格の扱いにも関わらず、
はげしい賛否両論が飛び交ったこの作品。
「どうせ理解不能なんでしょ、、」と穿ちながら見ましたがいやいや面白かった。

映画界で大成功したビートたけしとオーディションに受かったことがない
売れない俳優志望のフリーター北野武の物語。
ベネチアでだめだったのはよくわかる。「わらいどころ」がゾマホンとか内山君
なんだもん。(だが知っているからといって笑えるわけでもない)
北野武はビートたけしがつくっている暴力&ヤクザ礼賛な映画の世界に片足を
つっこみはじめ、だんだん現実と虚構の世界が混ざっていき、ほんとうの自分が
どこにいたのかわからなくなってしまう。
高名な監督としてもてはやされるたけしとうだつのあがらないしょうもないおっさん
のたけし。どっちもたけしなんだけど、そんなオイラをお前らちゃんと見えてるのかよ、
と言われているようだった。
あれだな、ブラザーとかよりこっちのほうが好きだな。

☆3.7つ

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チェコの猫(画像と内容は関係ありません)
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by angrofille | 2006-04-27 23:16 | 映画
日本では劇場公開もされず、長い間ビデオにもならなかったまぼろしの
ヌーヴェルバーグの傑作「アデュー・フィリピーヌ」をやっと見た!!
ヌーヴェル・ヴァーグの原点と評されるこの作品は、ハスミン言うところの
「映画的な甘い痛み」にあふれていて、見るひとすべてが絶賛せざるをえない
驚くべき傑作でありました。

ストーリーらしいストーリーは非常にゆるいもので、
パリのテレビ局で働く主人公がテレビ番組をえさにナンパしたなかよしの女の子
ふたりぐみに追いかけられてシチリアのバカンスを一緒に過ごすんだけど、
ものすごくなかよしのふたりの女の子は互いに主人公を奪い合うゲームを勝手に
してて、アルジェリア戦争に徴兵される主人公はいまいち乗り切れないでいるまま
徴兵される日が来てしまい、おんなのこたちはなにもできずにただ主人公を見送る
だけだった、、
というおはなし。

登場人物は監督のジャック・ロジェが路上で声をかけたド素人たち。おなみだ頂戴
の完璧な演技などできるはずもないのだが、だからこそまるで自分の人生のいちば
ん美しいシーンを見ているかのように生々しく瑞々しい映画になれたわけです。

冒頭に言った「映画的な甘い痛み」の瞬間は彼らによって何度も訪れます。
具体的にあげると夜ともだちとお泊まり会をするなかよしふたりぐみの女の子のシーン。
トレイにアーモンドとあたたかい飲み物をのせて、ベッドの上でおしゃべりするパジャマ姿の
二人。そのうちふたごのアーモンドを見つけ、朝めざめて先に挨拶したほうが勝ち
という「フィリピーヌあそび」をします。
かわいいベッドに二人で寝るおんなのこ。朝になり朝日が入ると二人は同時に目覚め、
顔をみあわせていっせいに「ボンジュール・フィリピーヌ!」と叫び、笑い転げるのです。
こんなに美しい瞬間が映画として再現できるもんかともう号泣。

これはフランスの風習で、アーモンドの殻のなかに双子のアーモンドが入っていた場合、
見つけた人は一緒にいた人にアーモンドの片割れを渡して一緒に食べなくてはならない。
で、次にお互いがあったとき「ボンジュール・フィリピーヌ!」と先にあいさつしたほうが幸せ
になれる?というすてきな言い伝えがあるそうで、この映画のタイトルはそれをもじって
いるそうです。

そしてクライマックスの主人公が出兵するのを見送るふたり。主人公をめぐって喧嘩
したりした二人ですが、ちゃんと二人そろって彼を見送りにきました。桟橋で主人公に
うつむきながら別れを告げる二人の顔のなんて寂しそうなこと!こんな寂しそうな人の
顔みたことない。その姿を見た瞬間に、昔の自分が勝手にフラッシュバック、、
そこにある映像が凄いというか、見るひとの感情を勝手に引き出すこの感じ。凄いよな〜
とただうっとり。

ヌーヴェルヴァーグの目指すものが嘘くさくてわざとらしいまがいものを排除して、いま
ここにいる誰もの人生を重ね合わせることができる映画というものだったとしたら、この
作品はまさにヌーヴェルヴァーグの理想を具現化したものだと言えるのではないでしょうか。

@南青山 kitcat pub.事務所(勝手に設立)にて

蛇足ですが、美脚でおなじみのサトエリさんも大好きだそうです。
謎ポエム「気遣い喫茶」は伊達じゃないな、、!!

☆4.5つ
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by angrofille | 2006-04-26 23:05 | 映画
「ジェリー」「エレファント」と美意識の怪物のような映画を立て続けにとっている
ガス・ヴァン・サントが27歳で猟銃自殺したカートコバーンをモデルに
人生最後の3日間を過ごすミュージシャンの姿を描く。

ということで実はこの映画はカートコバーンはぜんぜん関係ないんですね。
「自殺に至る人気のあるミュージシャンの最後の3日間」が描かれている
というだけで、べつにスメルズライク〜とかレイプ・ミーがかかったりする
わけではぜんぜんありません。宣伝文句として半ばこじつけのように関連
づけられているだけだというのが見た感想です。こわいこわい。

で、この映画にはストーリーらしきものも希薄でドラマ性も皆無なのですが
凄まじく美しい瞬間がひたすら続くとんでもない映画です。

強い風に倒されそうにふらふら家に向かって歩く主人公のブレイクの後ろ姿、
鬱蒼とした森を掘り起こし、夢遊病のようにただふらつく後ろ姿。
転がり込んでもお金のことしか言わない友人たち、たまに会っても自分の
ことしか言わない知り合い、ツアーのことしか言わないエージェント。
エレファントと同じく、同じ瞬間をそれぞれの人物の視点から再現して見せる
ことによってどの人物にも移入できて同時に移入できなくなってしまう。

ガス・ヴァン・サントはこの映画をゲイの友人がひっそり死んで行った体験が
カートコバーンの晩年と重なり、構想を得たという。
マカロニチーズをぼそぼそ食べる人生がどんなに味気ないか。友達がいても
自分が幽霊みたいな気がすることがどんなに孤独なことか。唯一の生命線の
音楽も広角で撮られる家の窓のなかでかすかに鳴らされるだけ。

美しい森、美しい小川、世界はあまりに美しいがその中で生き抜くのはまったく
容易でない。ラストシーンにキリスト教的梯子を用意したことがガス・ヴァン・サント
による彼らへのレクイエムと希望なのだろう。

☆4.1つ
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by angrofille | 2006-04-12 00:48 | 映画
さいきん仕事でかえりが遅い事が多くて、ろくに映画をみていない。
ひさびさにみたDVDはメゾン・ド・ヒミコ。

あらすじ
ゲイのための老人ホームを舞台に、癌で余命幾ばくもないゲイの父親と
その若い恋人、ゲイの父を長年嫌悪してきた娘の三者を中心に、ホーム
に集う年老いたゲイたちが織りなす人間模様を優しく描いた感動ドラマ。
allcinemaより

監督は「ジョゼと犬と魚たち」(だっけ)の犬童一心。
フィルモグラフィを見ると
タッチ(2005)監督
航跡 〜横山やすし フルスロットル〜<TVM>(2004)脚本
いぬのえいが(2004)監督
ジョゼと虎と魚たち(2003)監督
黄泉がえり(2002)脚本
伝説のワニ ジェイク(2002)  Anime監督/脚本
大阪物語(1999)脚本
ドリームメーカー(1999)脚本
金髪の草原(1999)
と、すごくB級な作品が多い人のようですが、この作品は上品できれいだった。
ひさびさに映画らしい日本映画を見たかんじ。
しかし2時間11分は長い。

☆3.2つ(40分短かったら星0.3上げ)
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by angrofille | 2006-04-06 23:24 | 映画
世界が誇る変態監督デビッド・クローネンバーグの新作
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」、中原昌也も絶賛ということで(?)
行って来た。場所は東銀座の東劇という松竹本社にあるクラッシックな
映画館。

田舎町で食堂を営むトムと弁護士の妻、エディは、ちょっといじめられっこの
息子とかわいい娘と幸せに暮らしていた。ところがある日、トムは店を襲った悪者を
まぐれでやっつけてしまい、町のヒーローになってしまった。平凡な日常に少しづつ
亀裂が入りはじめ、、というあらすじ。

もう最初の意味ありそでなさそなモーテルの前でぐだぐだしゃべるチンピラ
の長回しからしてすごくいい。ぐだぐだしゃべるチンピラが仲間に水汲んでこいって
言われて面倒くさそうにモーテルの事務所に入ると仲間が殺した従業員の死体が
ごろごろ転がっていて、そいつは無関心そうに死体を眺める。水を汲む男に、隠れていた
殺された従業員の子供がぬいぐるみをだっこしながら助けを求める。助けるのかと
思いきや、そのこどもにゆっくり銃を向けるチンピラ。暗転して銃声。ぎゃー

そういう非常にディテールの細かい暴力シーンがものすごくたくさんある。
アクションじゃなくてこりゃもうスプラッタでしょうという死体が出てくる。
暴力シーンだけじゃなくて性的シーンも異様にディテールが細かくてもうびっくりする。
微妙な関係の異性とのデートには思いっきりおすすめしない映画だ。

誰にでも過去というものはあるけれど、自分自身ですら受け入れがたい過去と
向き合うとき、家族はどうするのか?ラストシーンがとにかく素晴しい。こんなラストシーン
みたことない。

出てくる俳優が一人残らずものすごくいい顔をしている。みんな俳優というよりミュージ
シャンみたいな顔をしている気がする、というかものすごく味のある顔をしている。
ダイナーの従業員も、フィラデルフィアのギャングも、ボスも、保安官も、みんな一度
見たら忘れられなさそうなアクのつよい人たちばっかりで顔見てるだけで飽きない。
主人公のビゴ・モーテンセンは話が進むにつれて顔が変わっていくのがすごい。
あと息子役のアシュトン・ホームズがものすごく素敵でもうドッキリ。バンビが少年に
なったみたいな容貌である。彼を見るたびに草むらをちょうちょと跳ねる子鹿の姿が
浮かんでアルファ波でも出そうだ。ナイーブ俳優の座で「エレファント」のジョン・ロビンソン
と双璧をはれると思うのだが、どうか(何が)
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☆4.1つ
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by angrofille | 2006-04-02 01:36 | 映画

アイドルを探せ

春だ。桜も咲いて、みんな恋でもしたくてたまらなくなっているだろう。
ということで今日は素敵なアイドルをご紹介します。

まずは現代のジャンピエールレオーと呼ばれるフランス人俳優の
マチュー・アマルリック
スピルバーグのミュンヘン(2005)
アンドレ・テシネの溺れゆく女(1998)
そしてアルノー・デプレシャンのそして僕は恋をする(1996)、キングス&クイーン
などに出演しています。
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くーーーーーーーーーーーーーーー
この飄々とした顔!!ああこれこそフランス野郎!!たまりませんね!!
彼の父はジャーナリストで、母は文芸評論家。インテリなんですよインテリ
はじめから俳優を志していたわけではなく、ルイ・マル監督の「さよなら子供たち」では
アシスタントをしていたそう。
キングス&クイーンではフランス映画界のオスカー、セザール賞の主演男優賞を受賞
しました。俳優として大成功した今も自ら映画を製作、監督しています。
初めての監督作「MANGE TA SOUPE」はなんと!!ジャン・リュック・ゴダールに絶賛された
という傑作のよう。デプレシャン作品ではちょっと暗めのインテリを演じることが多い
彼ですが、「いつもの僕はアクティブなほうです。こどもたちと山を登ったりしています。」
と語っているように自らの監督作品では明るくて活発なマチューが見れるそう。喉から手が
出るほど見たいです。
しかし彼の出演する次回作が、ソフィアコッポラの「マリーアントワネット」なんですって!!
マチューがソフィアにガンガン指図される様子を勝手に想像して勝手に怒り狂っています
(病気?)



もう一人はピート・ドハーティ
言わずと知れたケイト・モスの元彼で元リバティーンズ、現ベイビーシャンブルズという
ミュージシャン。現存する最後のセックス&ドラッグズ&ロックンローラー。
ポーランド人の堅物野郎が「こいつはテレビで見るたびバカな言動ばっかりしてて、最悪だ」
と眉をひそめていたのですが、そんな風に親が認めないイギーポップみたいに危険なミュー
ジシャンって今いないでしょう。それが凄いところらしい。曲もいいらしいけど実は
「ファック・フォーエバー」という曲しか聞いたことない。ファックフォーエバーって、、

彼にディオール・オムのデザイナーエディスリマンがぞっこんに惚れ込み、彼だけの
写真集を作ったのは有名なはなし。
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この写真集、ぱらぱら見るとあまり印象に残らないのですがちょっとじっくり見ると
ピート・ドハーティがたまらなく愛しい生き物に見えてくる。丁寧な装丁といいとてもいい本
です。エディスリマン自身が撮影、構成、デザインまで手がけているそうだ。すごい人は
ほんとに何やってもすごいよな。現在は品切れだそう。
ピートドハーティに惚れているのかエディスリマンに惚れているのかよくわからなくなって
きたが、まあそんな彼のいたリバティーンズの本が出版されたらしい。
音楽がらみの本というのはどうにも微妙なものが多いのですが、この本は曲聞いたこと
なくても楽しめそうな作りなので購入しようと思っております。
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日本人のアイドルは菊池成孔かなあ。ユリイカ特集だったね。
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by angrofille | 2006-03-31 02:18 | 映画
ヴィム・ヴェンダースの新作が遂に公開。
といってもこの前ランドオブプレンティみたばっかですが

遂にというのは最近彼の作風に非常に違和感を感じていたのですが、
(ブエナ・ビスタとかミリオンダラーホテルとか) (しかも見てない)
この作品は最初にでてきたスチール↓
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からして昔のヴェンダースが戻って来た感が強くあり、心待ちにしていたのです。

ストーリーはけっこうなんということもなくて、年老いた(でも50くらい?)西部劇役者の
サム・シェパードが突然砂漠の撮影から失踪。30年ぶりに母に会いに行き、そこで
「そういえばあんたの子供どうしてる?」と母に言われる。「子供、、?!」「30年前に
女の人が電話かけてきて、あんたの子供ができたって言ってたの」「早く言ってよ!!」
ということで子供とその女を探しに砂漠の中をドライブで出かけるんですね。
彼女たちをあっけなく見つけることができたのですが、見つけたからってその先どうする
の、、?血のつながってる親子だからって、すぐに家族になれるものなの、、?
そこに出てくるもう一人の若い女の子サラ・ポーリー(バロンの女の子、死ぬまでに
したい10のこと)。サム・シェパードが何もかも捨てて飛び出して来た果てに見つけた
絶望と孤独に涙が出てくる。ジェシカ・ラングのダイナーの女っぷりも素晴しい。
ヴェンダースの女の趣味はほんとうにいい。

サム・シェパードとジェシカラングが言い争うシーンはとても痛々しいのだが、
パリ・テキサスの痛々しさとはまた別で、以前したとりかえしのつかないことから
この映画は時間がずいぶん経っているところが違うのだ。ダメ男の30年後のような。
パリ・テキサスではいつでも引き返せるが、この映画ではもうどうやっても引き返せない。
でも自分がダメだとしても家族がそれを取り戻してくれるのかも、という終わり方だったのが
円熟というか老成というか、よかったなあ。
音楽は「オー・ブラザー!」(ずぶぬれボーイズ!)のT‐ボーン・バーネット。ダメ息子がくちず
さむ歌がどれもこれも良い曲だと思ったら、なんとそうだったのか。サントラ的じゃなくて
鼻歌みたいに挿入されるものすごく良い曲。この音楽がすごく映画を引き立たせている。
映像はもう完璧でした。アメリカの美しいところを熟知して撮りまくっている。どのシーンも
写真のようだった。アメリカへの別れ、だからきれいなところだけ残したかったのかな。

☆3.8つ
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by angrofille | 2006-03-15 00:00 | 映画
去年のアメリカの流行語大賞?って「ブロークバック」だったんだってー。
それくらい凄まじい人気の映画と聞いていってみた。

1963年夏、カウボーイのジャック・ツイストとエニス・デル・マーはワイオミングの
ブロークバック・マウンテンで羊の群れを移動させる仕事に就く。
大自然の中でぶつかりあっているうちに惹かれ合ってしまうが、夏が終わって
下山したあと、ふたりは別々の女性と結婚して別々の人生を歩む。
それでもどうしても忘れることができず、妻に「釣りいってくる」と言っては二人で
ブロークバック・マウンテンを訪ね、二人だけの時間を過ごす。
一緒になりたいのに保守的な西部の慣習やトラウマや世間の目を気にして
二人はただブロークバック・マウンテンで会い続けることしかできない。
それでも時間は流れ続け、ジャックはビジネスの世界へ、エニスは牛を
追い続ける生活へと二人の間に距離ができ始めてしまう。。

渋谷シネマライズは満員で、頻繁に爆笑が起っていた。どうしても笑って
しまうのよね、、「アハハ、旦那がこんなだったらやだな〜」とか。

全編に漂うアメリカのわびさび。忍耐ってアメリカ人にとってはよっぽど
辛いことなんだろうなと思う。
ジェイク・ギレンホールや「ランドオブプレンティ」のミシェル・ウィリアムズ
など役者陣も素晴しい。
人生において取り返しがつかないことというのは絶対ある。それが胸に刺さって
非常に痛かった。
同行したT氏は寝言を言うほど爆睡してらっしゃいました、、

☆3.7つ

見てから1ヶ月くらい経つんですが、この映画って見た直後はそんなでもないんだけど
日常に帰ってからものすごくじわじわじわじわ来るんですよ。その「とりかえしのつかない
こと」が。映画のなかのことだけじゃなくて自分のことにまで。なかなか日頃思いを
はせる映画というのはそんなにない。で、ひきょうなのですが星をかえます。
☆4.2つ

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by angrofille | 2006-03-06 23:55 | 映画